ここ最近、アメリカドルに対して急激な円安が進んでいます。為替レートと株価は密接に関わっていますが、難しそうと思っている方も多いのではないでしょうか?
今回はこの円安が株価に与える影響について解説していきます。
目次
円安が進む背景
為替レートは様々な要因で成り立っていますが、今回は米国の利上げを主に解説します。
現在、米国の10年国債の金利と為替レートは同じような動きを見せています。
例えばどちらも明確に上がり始めたのは3月4日からでしたが、日本円は1ドル114.8円から119.2円になり10年国債の利回りは1.7%から2.2%になりました。
米国では利上げが発表されましたが、利上げが行われるのなら日本円で持っているよりも米ドルに替えて国債を買おうという需要が増えたため円安が進みました。
利上げと株価の関係
米国で利上げが行われたら基本的に株価は下がります、特にNASDAQに上場している新興企業ほど影響は大きくなります。
しかし、現在米国ではFRBの予想を上回るほどのインフレが進んでいて、現金で持っているよりも金融商品に投資したほうが損をしないと考える人も多いので、ウクライナ侵攻が起きても大暴落という事態にはなっていません。
日本経済への失望
先程、米国では予想外のインフレが進んでいると紹介しましたが、その主な要因は長く自粛が続き経済活動が低迷したことに対する反動やコロナの影響で失業した人に対する給付金が日本よりも充実していたので、ワクチンの接種率が上がるにつれて徐々にコロナ前の日常に戻りつつあるからです。
これはヨーロッパでも同じような状況であり、イギリスでも中央銀行が追加の利上げを発表しました。
ロックダウンなどで抑圧された消費者が日常に戻る反動で、以前よりもお金を使って経済を回していることでモノ、サービスに対する需要が高まりインフレが進んでいます。
しかし、日本ではようやくまん延防止等重点措置が終わる段階であり、まだまだ自粛を求める雰囲気が強く、経済が上手く回っているとはとても言えない状況です。
利上げは景気の加熱を抑えるために行われるものなので、日本経済がこれから以前よりも景気が良くなると期待している投資家はほとんどいないということです。
ウクライナ危機と円安
ロシアのウクライナ侵攻と円安も深く関係しています。
原油価格だけを見ても、世界的に高騰していて日本でもガソリン代の高騰が止まらない状況です。
ただでさえ価格が高くなっているのに、為替レートでも不利になっているので何か大きなニュースが無い限りこの状況はもうしばらく続きそうです。