今年も残りわずかですが、多くの投資家が気になっているのは来年の株価ではないでしょうか。今回は投資家の間では有名な1月のアノマリーについて解説します。
目次
1月のアノマリーとは?
まずアノマリーというのは理論的、科学的に説明することは出来ないが、経験や歴史的事実が重なった出来事や法則のことで経済学や金融以外の投資に関係ない分野でも存在していますし、1月以外にも様々なものがあります。
ニュアンスだけで言うとジンクスが似たような言葉になります。
株価に関連したアノマリーで有名なのは「1月効果」と呼ばれるものがあります。
これは1月は他の月と比べて株価が上がりやすく、リターンが増えやすいという内容です。
1月効果の根拠
もちろんこれは絶対の法則ではないので、これだけを鵜呑みにして投資をしてはいけません。ですが、一応根拠となる考え方もあります。
毎年12月は税金対策や取引を今年中に終わらせて新年をノーポジションで迎えたい人がいるので、そういった人たちが年末に清算した資金が1月に市場に戻ってくるというものです。
1月効果は特に小型株で大きく出るとも言われているので、年末年始のうちに情報を集めた投資家が、将来有望な小型株に投資をすると言われたら確かに説得力はある気がします。
実際の株価はどうか?
では実際にこの法則は成り立っているのかを確認するために2000年以降のNYダウ平均株価、22年分を見てみます。
すると、当初より1月末が上昇している確率は約45%と残念ながらあまり参考にならないことが分かりました。
やはりアノマリーよりも短期的には景気に関連したニュースで動く人が多いといった印象です。
ただこれはあくまでNYダウ平均株価の場合なので、もし興味があれば他の指標や小型株をチェックしてみてはいかがでしょうか。
1月が上がればその年は上昇
1月に関連したアノマリーはもうひとつあり、1月に株価が上昇すればその一年間は強気相場が続くというものです。
これも同じ様にNYダウ平均株価を調べてみると、約62%と先ほどより高い相関関係にあることがわかります。
つまり来年、2022年の1月の株価が上昇すれば1年を通して上昇する可能性が高いです。
あくまでアノマリーとして楽しむことが大事
繰り返しになりますが、アノマリーは理論的な裏付けなどがない法則のことなので過信してはいけません。
ですが投資家の間では有名な話であり、実際にそれを意識して投資を行う人がいる以上無視することも出来ません。
あくまでアノマリーは確実ではないとは割り切りつつも、実はまだ世間に発見されていない法則があるかもしれません。
年末年始で取引が休みのうちに自分なりのアノマリーを見付けて、来年の取引に活かしてみてはいかがでしょうか。