経済・相場

テーパリングの株価への影響 2022年2月以降は要注意 6月以降は利上げの可能性も

かねてより注目されてきたテーパリングの開始が2021年11月のFOMCで発表されました。

投資家はそれによってこれまで加熱してきた市場に対する影響を懸念し続けてきました。

そこで今回は、テーパリングの実施によってマーケットにどのような影響をもたらすのかを見ていきます。

目次

金利の影響 失業率に注目

長期金利は株式市場に大きな影響をもたらすので、投資家は皆金利を毎日チェックする必要があります。

今回のFOMCでFRBのパウエル議長はテーパリングは金利政策に影響を与えるものではないと主張しました。

これは、投資家の多くがテーパリングの終了とともに金利を上げることによって株式市場が一時的に冷え込むことを懸念していることを牽制する発言だと思われます。

また、「利上げは時期尚早であり、利上げをするための条件はより厳しい経済的条件を満たす必要がある」という発言を残しました。

その経済的条件については明言を避けておりますが、最大雇用のことだと推測されます。

特に、9月のFOMCで2022年末の失業率を3.8%と予想しているとの発言も残している為、最大雇用は失業率3.8%以下が目安となってくるでしょう。

テーパリングが実施されることは予想済み

機関投資家は今年の9月頃からテーパリングが行われる事は既に予想済みでした。

すなわち既に債券は売却済みだったケースが多いと予想されています。

また、悪材料の出尽くしから長期債が再び買われれば、長期金利は低下していきます。

そして、金利の下落は株式のバリュエーションを高めます。

その為、高PERであるグロース株にとっては大きな追い風になるという予想も立ちます

金融緩和はこれからも続くが来年1月までは株式市場は好調?

テーパリングは2021年の11月末から2022年の6月末まで続きます。

つまりそれまでは縮小しつつも金融緩和は続いていきます。

さらに、例年11月〜1月の株式のパフォーマンスは高い事から、現状好調に成長している市場はしばらくこのまま上向きでいくと予想している投資家が多いです。

2022年2月以降の動向は要注意

人材や原材料が不足したり、コストが増えた分価格を上げざるをえなくなるなど、サプライチェーンの混乱が仮に来年の2月になっても終わらない場合、長期金利は再び上昇し始めるかもしれません。

そうすると株式のバリュエーションが低下することによってグロース株の足かせになります。

パウエル議長は利上げについては明言を避けておりますが、来年6月以降に利上げが実施される可能性も大いにあり得ることから、2022年2月以降は慎重に投資を進めていく必要があります。

やまちゃん

投稿者の記事一覧

20代後半。国公立大学在学中に起業を経験し、卒業後は東証一部上場人材系企業にて勤務。その後、世界最大規模の金融機関で勤めたのち、個人事業主として活動。米国株取引歴は2年で今はCRWD、AAPL、V、VTI などを保有。株投資は大学1年から。保有資格はFP2級、TLC。

関連記事

  1. 米国株投資家が今直面しているやっかいな問題
  2. 揺れる市場<中国不動産懸念とテーパリング>
  3. なぜ米国の雇用統計は世界から注目されるのか
  4. 11月以降の米国株式相場を予想 長短金利差の縮小に注意
  5. 米国のインフレは米経済にどんな影響を与えるの? 倒産やリストラが…
  6. パウエル議長再任による米国株式市場への影響
  7. 今注目の「メタバース」とは?関連市場、注目銘柄とともに解説
  8. コロナショック後、経済環境はどう変化したか? FRBと市場の対話…

「ETF」カテゴリー記事新着

「個別銘柄」カテゴリー記事新着

「高配当株」カテゴリー記事新着

「初心者」カテゴリー記事新着

「経済・相場」カテゴリー記事新着

PAGE TOP