目次
雇用統計とは
米雇用統計とは、米国労働省が発表する米国の雇用情勢を調べた景気関連の経済指標のことを言います。
原則、毎月第一金曜日(稀に第2週目になることもあり)に雇用統計は発表されます。
発表内容は項目数で10を超える項目について発表されますが、特に投資家にとって大事な指標が失業率、非農業部門雇用者数と言われております。
非農業部門雇用者数(NFP=Non Farm Payroll)
農業以外の職業についている人数が前月に比べてどの程度増減したか示したものです。
予測値が事前に発表されており、それに対しての結果、前回改定値の3つで構成されています。
失業率
失業者数が労働人口において何%いるかを示している項目です。
米国の労働人口(16歳以上の働く意志のある者)は約1億6000万人いますが、そのうち何%の人が失業者かを表した数値です。
なぜ米国の雇用統計は世界から注目されるのか
米国のGDPは世界の約2割を占めており、その中でも個人消費が7割を占めている為、経済の良し悪しは個人消費が大きく影響します。
雇用者数が減ると、個人消費がへり、個人消費が減ると米国経済が悪くなってしまいます。
世界のGDPの2割を占める米国経済が悪くなるという事は世界経済に影響を大きく及ぼす為、世界的に注目されています。
雇用統計と為替
雇用統計の結果がいいと個人消費が増加し賃金も上昇するので景気は改善し、政策金利が引き上げられます。
市場金利が高い通貨を投資家は好むので、ドルが買われることになります。つまり、ドル高円安になります。
数値が悪くても予想以上の結果が出ればドル高円安になっていき、数値が良くても予想以下の結果が出ればドル安円高になります。
その為、事前に予想値を知っておくことが非常に重要になってきます。
為替に大きく影響することから、FXトレーダーは雇用統計後にしっかりトレンドに乗っかることが重要と言えます。
雇用統計と株価
雇用統計と株価雇用統計と株価の相関関係は為替程あるとは言えないですが、投資家は雇用統計をしっかりチェックする必要があると言えます。
一般的には雇用統計の内容が良いと今後の米国の経済状況は良好と判断されて株価は上昇する傾向にあるとされています。
補足:米国機関投資家によると
実は、FRBが一番恐れる事は賃金の上昇と言われています。
生産性の向上なき状態での賃金の上昇は正常ではなく、悪性のインフレを引き起こす可能性があります。
賃金の上昇は連続性があります。それを続けるとFRBによる金利政策で景気(賃金)をコントロールする事は至難の技になります。
その為、通常は失業率、非農業部門雇用者数の数字を主にチェックしますが、機関投資家は景気の動向を正しく判断する為に平均時給の項目もしっかりチェックしているそうです。