現在、アメリカでは予想外の速度で進むインフレに対し様々な議論が巻き起こっています。
今回はインフレが進んだ場合、株価はどうなっていくのかについて解説していきます。
目次
原則として株価は上がる
インフレはモノやサービスの値段が上がっていくので、企業の売上も上がり株価も原則的には上がります。
日本株と米国株を長期のチャートで見比べて見ると、明らかに米国株の方が上がっていますが、これはインフレとデフレが長期で続いた結果であるとも言えます。
デフレの場合は待っていた方が価格が安くなるので、消費者も企業も投資を控えて景気が良くなったタイミングで投資を始めようとします。
そのため、企業は価格を上げにくく業績も上がりません。
ただし一概にインフレが良いという訳ではなく、もちろん限度はあります。
各国の中央銀行はその目標を概ね2%に設定していて、日本もそれに習っています。
テーパリングの終了や利上げで株価はどうなる?
コロナの影響で経済が落ち込むことを防ぐために日本よりも手厚く事業者や個人に対して給付金を交付したアメリカは、ワクチン接種が進んだこともあり、景気回復への兆しを見せ始めています。
しかし、それに伴い政府やFRBが予想していた以上にインフレが進んでいるため、テーパリング(量的緩和を徐々に減らしていくこと)の早期終了や2022年には利上げが複数回行われると考えられています。
基本的にはどちらの政策も景気を下支えする役割があるので、予想外のインフレが進むほど回復傾向にある場合は徐々に方針を変えていきます。
この政策の変化だけを見れば株価もこれまでの状況よりは下がっていきます。
投資したい人は増える
ですがこれはあくまで政策だけの話です。
実際にはインフレはお金の価値が下がっていくので、預金して放置すると実質的に損をしてしまいます。
そのため、政府が支援策を打ち切っても景気が回復していくなら株やビットコインなどの金融商品に投資しておこうと考える人が増えるのでますます株価は上がりやすくなります。
株価が上がると、「現金で持っていても損をする」と考える人が増えるので更に投資が増えます。
短期的には予測出来ない
これまで紹介したのはあくまで原則なので、これまでの歴史を考慮すると長期的に見れば米国株の株価は上がる可能性が高いです。
ですが現在はコロナ禍での暴落からの急激な株高からの景気回復、そこに水を差すようなオミクロン株の出現。
北京オリンピックへの外交的ボイコット、米中貿易摩擦を始めとしたチャイナ・リスクの要素など、短期的には乱高下しやすい不安定な状況にあることは変わりません。
短期的は全く予想出来ませんが、こんな時こそ王道の米国株長期分散投資の良さを再確認してみてはいかがでしょうか。