日本ではあまり知られていませんが、ウルトラVIX短期先物(UVXY)というETFがあります。
今回はこのETFの概要と投資する際の注意点について解説します。
目次
ウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)とは?
米国の代表的株価指数であるS&P500の変動幅の1.5倍の値動きを目標としたETFで市場が大きく動くとこのETFも連動して大きく動きます。
S&P500は米国株の代表的な銘柄を集めた指数なので、基本的には米国株全体の動きだと考えて下さい。
VIXとは?
VIXはボラティリティー・インデックスの略称で「恐怖指数」とも訳され、今後の株式市場が不安定になるようなニュースが出ると大きく動きます。
恐怖指数自体は日本株などにも存在していて日経VIという名前です。
上昇するにしろ、下落するにしろ、市場が大きく動きそうだと判断した投資家が多い時に数字が高くなります。
例えば最近新型コロナウィルスで「オミクロン株」という新しい変異株が話題になった際には数日の間で20%前後の値動きを見せました。
ウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)をどう活かすか?
このETFを一番生かせるのはデイトレードを中心とした超短期の投資です。
例えば、コロナショック時のような大暴落が起こると市場はパニックになります。
いつもより安いからと思って安易に個別株を買ってしまうと、さらなる下落に巻き込まれて大損をしてしまう可能性も十分にあります。
恐怖指数という名前の通り、そんな時に大きく値上がりするのがウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)です。
2020年のコロナショックの時の値動きを紹介すると、2月の初め時点では約100ドルだった価格が、約一ヶ月後には900ドルを超えました。
ほとんどの株が暴落していた一ヶ月で9倍というのはパフォーマンスの高さを示しています。
長期投資、空売りには向かないので注意
実際に投資する際の注意点として長期投資には全く向いていません。
ウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)はその仕組み上、大きな動きがない期間は少しずつ価格が下がっていきます。
チャートの期間を長くするほど価格が下がり続けていることが分かります。
いつか暴落が来るだろうからと思って持ち続けていると、大きく上昇したのに結局買った時の価格と大差なくて、ほとんど利益にはならなくなってしまいます。
更に長期的には価格が下がると思って空売りをしてしまうと、直後にコロナショック時のような暴落があった場合には短期的に10倍近い値動きをして、大きな損になります。
ウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)を戦略的に投資に活かすためには、市場がパニックになるような暴落時で個別株を買うことも空売りすることもリスクが高い時に現物を少しだけ買うこと。
更に長期的に保有は出来ないので、市場が安定を取り戻しそうだと判断されたらすぐに売却することをオススメします。