日本企業で連続増配するトップ企業はおなじみの「花王」で31年です。
では米国はどうでしょうか?
実は米国企業は日本の比ではなく、トップ企業はなんと67年連続増配の「アメリカン・ステイツ・ウォーター社」です。
米国内の連続増配企業のトップ10企業を見てもなんと10社中9社が60年連続で増配しています。
今回はそんな米国の増配企業に投資できるバンガード社のETFであるVIGについて紹介させていただきます。
目次
上場投資信託(ETF):VIG(バンガード米国増配株式ETF)とは?
VIG(バンガード米国増配株式ETF)とは、米国市場に上場している銘柄で過去10年間連続増配の普通株で構成されている、ETF tracks the S&P US Dividend Growers指数に連動する上場投資信託(ETF)です。
基本データ(2021年10月26日現在)
株価レンジ(52週) | 77.97 – 108.71ドル |
経費率 | 0.06% |
分配金利回り | 1.7% |
1年リターン | 25.76% |
3年リターン | 18.25% |
5年リターン | 16.99% |
設定日 | 2006年4月27日 |
配当月 | 3月、6月、9月、12月 |
配当利回りは1.7%と低いものの、今後も増配が継続していくと考えられるのであまり気にする必要はないでしょう。
また、5年リターンも17%弱と、しっかりとキャピタルゲインを狙えるETFと言えます。
VIGの組入上位銘柄について
ではVIGの組入上位銘柄を見ていきましょう。
組み入れ比率トップは、情報技術セクターの代表格である米国のマイクロソフトが入っています。
次いで金融会社であるJPモルガンチェース、製薬大手のJ&Jなど、米国を代表する連続増配銘柄が入っています。
(画像はBloombergより)
トップのマイクロソフトは、配当利回りこそ直近の株価で1%を切っており決して高いとは言えませんが、過去5年は年平均12.88%と高い増配率を維持しています。
また、組み入れ比率2位のJPモルガンチェースに至っては、17.45%と驚異的な増配率を出しており、VIGの連続増配率をけん引しているのが分かります。
VIGの過去の増配率は?配当金額は?
以下は過去10年のVIGの配当履歴です。
年間配当額を見ると過去10年でほぼ2倍に配当金が増えており、きれいに右肩上がりになっていることが分かりますね。
(画像はSeeking alphaより)
連続増配をうたうETFだけあって、過去10年の増配率は8%を超えています。
VIGのように毎年増配するETFは、長期保有をすることによって投資家にとって最大限の恩恵を受けられるETFになっています。
VIGは買いか?:投資するメリット・デメリット
VIGの基本データや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてVIGに投資する際についてまとめていきましょう。
VIGに投資するメリット
まず挙げられるメリットは、高い増配率が毎年維持されることでしょう。
増配率が高いということは、つまり長期目線で考えれば高配当ETFに変わるということです。
例えば、増配率が12%を超えるマイクロソフトは2017年時点の株価が62ドル程度しかありませんでした。
当時の株価で買っていた人の直近1年の配当率は約4%となり、利回りも魅力的な水準となっていますね。
VIGに投資するデメリット
逆にVIGに投資するデメリットは、構成銘柄が248銘柄に及ぶ反面、低い増配率の銘柄も含まれてしまう点です。
例えばVIGの構成銘柄のうち、JPモルガンチェースやアボット(ABT)などの個別銘柄を見ると、それぞれ増配率は過去5年で20%近くにもなります。
ホーム・デポに至っては、過去10年の増配率が20%を超えてきます。
したがって、数百銘柄を組み入れることは、分散投資というメリットを得られる代わりに、増配率を逆に低くしてしまうという矛盾したデメリットを生んでしまうわけです。
まとめ:VIGは買うべきか否か?
ここまでバンガード社のETFの一つであるVIGについて紹介させていただきました。
結論から書くと、長期保有を前提とするならば、将来的な増配目的でVIGを保有することをお勧めします。
ただ、デメリットにも書いた通り、単純な増配率を目的とするならば、マイクロソフトやホーム・デポなどの個別銘柄を保有することもお勧めします。
(執筆:moonkichi)