株式投資のパフォーマンスがなかなか向上せずに困っている人はいませんか?
そのような方はもしかしたら損切りの仕方に問題があるのかもしれません。
損切りは自分の身を守るとともにパフォーマンスを向上させるための重要なテクニックです。
こちらの記事では損切りに対する考えかたとその方法に対する考え方をご紹介していきます。
目次
損失を取り戻すために必要な利益
投資で損失が発生すると、損益をゼロに戻すためには損失率よりも高い利益率が必要です。
例えば、100ドルで購入した株が50%下げて50ドルまで下落した時、取り戻して再び100ドルにするには50ドルから100ドルへの上昇が必要なので、100%の上昇が必要です。
ほかの場合も見てみると以下のようになります。
損失が10%なら11.1%の上昇が必要
損失が30 %なら42.9%の上昇が必要
損失が70%なら233%の上昇が必要
損失が90%なら900%の上昇が必要
これからもわかるように、損失が大きくなればなるほど取り戻すには大きな上昇が必要となります。
反対に損失を小さく抑えることができればそれを取り戻すことはそれほど難しくありません。
つまり、株式投資で成功するためには必要な時には損切りを行い、損失を小さく抑えることが重要なのです。
損切りをすることの難しさ
損切りは損失を確定させる行為のため、心理的抵抗を感じる人が少なくありません。
ここに損切りの難しさがあります。
もう一つ含み損を抱えている人の心理としてよくあるのが、「いつかは株価が戻る」、「この銘柄は長期目線だから今は下げても大丈夫」など理由をつけて自分を正当化しがちなことです。
これらのような心理状態に陥ってしまった結果、塩漬け株が生まれてしまうのです。
損切り水準を決めるためのひとつの考え方
損切りの水準に絶対的なものはありませんが、参考になる考え方として「勝ちトレードの平均利益率の2分の1の水準に置く」というものがあります。
例えば勝ちトレード平均利益率が8%であれば損切り水準は4%です。
上記の設定で勝率50%のトレードを10回行ったとすると、トータルリターンは19.8%です。勝率40%であっても6.49%のトータルリターンが得られます。
この方法では勝ちトレードの平均利益率がわかれば損切りラインを導き出すことができますが、平均利益率が高すぎると損切り水準を2分の1に置いてもパフォーマンスが悪くなることがあります。
一度ご自身で計算してみてそのような時は損切り水準を2分の1以下に置くなどして調整してみてください。
損切りに逆指値注文を取り入れる
損切り水準の設定ができていれば株の購入時に損切り価格は決定します。
購入と同時に損切り水準に逆指値注文を入れておきましょう。
逆指値注文は「注文する銘柄の株価が指定した価格以上(以下)になった場合、あらかじめ指定した注文を発注する」注文方法です。
逆指値注文を使えば損切りを自動化することができます。
ここで大事なことは一度決めた損切りラインは緩めてはいけないということです。
例外なく損切りのルールを徹底し、損失の拡大を防ぐことがパフォーマンスの向上につながります。
損切りを取り入れてパフォーマンスの向上させよう
損切りは自分のトレードが間違っていたことを認める行為です。
しかし、すべてトレードで勝つことのできる投資家は誰もいません。
大事なのは、その間違いを大きな間違いにしてしまうのか、それとも小さな間違いでとどめるのかです。
間違っていたトレードを小さな間違いにとどめてくれるのが損切りです。
損切りをうまく取り入れてパフォーマンスの向上を目指してみましょう。