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米国株投資で外国為替手数料を節約する3つの方法 日本円と米ドルをムダに往復させない

目次

チリも積もれば山となるのが外国為替手数料

日本株投資には絶対にない米国株投資ならではのコストで、額は小さくてもチリも積もれば山となるので決して無視できないのが「外国為替手数料」でしょう。

たとえば為替スプレッドとも呼ばれる為替手数料が「1ドルあたり25銭(0.25円)」の証券会社で1000ドル(約11万円)分の米国株の買い付け、売却を8回(4往復)行うと1000×0.25×8=2000円になります。

20回(10往復)なら5000円です。

基本的なことですが、米国株は日本円では買えません。

投資家が銀行口座や証券会社の口座に持っている日本円の資金は、日本株取引のための口座とはまた別の「外国株取引口座」に資金移動して、さらに米ドルに両替してからでないと、米国株の買い付けはできません。

第1の方法:為替手数料が安い証券会社を選ぶ

日本国内での米国株取引の「御三家」と言えそうなネット証券会社が、

マネックス証券

SBI証券

楽天証券

の3社です。

いずれも米国株取扱銘柄数は4000銘柄を超え、大手の野村証券、SMBC日興証券、大和証券のネット取引を大きく引き離しています。

この御三家を、米国株売買手数料無料を武器にするDMM株が追っていますが、取り扱いはまだ1000銘柄足らずです。

その米国株取引ネット御三家の証券会社は、売買手数料は売買単位0~22米ドルで約定代金の0.495%(税込)で全く横並びですが、為替手数料には違いがあります

約定代金1ドルあたりで、SBI証券、楽天証券は25銭(0.25円)でDMM株も25銭ですが、マネックス証券は買い付け時0銭、売却時25銭です。

つまりマネックス証券は、買い付けと売却の2回分(1往復)25銭で、他社の50銭の半額になります

ということは、日本円の資金を用意して米国株を買い付け、売却代金は日本円で受け取りたい投資家は、マネックス証券に口座を開けば最もお得、ということになります。

ただしSBI証券は、住信SBIネット銀行に口座を開いてその「外貨入出金サービス(無料)」を利用すれば、為替手数料がわずか4銭に割引されるという特典があります

往復でも8銭ですからマネックス証券よりも安くなります。

第2の方法:外貨両替をせず資金を米ドルで保有

とはいえ、米国株を売買してそのたびに買い付け時に日本円からの両替、売却時に日本円への両替を繰り返していると、為替手数料はそのたびにきちんとかかってきます(マネックス証券は売却時のみ)。

「米国株のA株を売って、その売却代金で米国株のB株を買おう」と思った時、A株を売って資金を日本円に両替し、すぐにまた米ドルに両替してB株を買うと、その2回分の為替手数料がムダに思えるかもしれません。

「大したコストではない」と思うか、「コストは1円でもムダにしたくない」と思うか。あなたはどちらですか?

コストは1円でもムダにしたくない人におすすめなのが、外国株取引口座との間で「米ドルによる入出金」を行い、外貨両替をしないで資金を証券会社内の口座や、銀行など外部の外貨預金口座で米ドルで保有するという方法です。

それなら日本円に両替するための為替手数料はかかりません。

ただし、外部からの米ドル入出金には、マネックス証券は「入金のみで出金不可」「1回で移動する資金が10000米ドル以上」「振込手数料必要」「最大2営業日後口座反映」、SBI証券は「入出金とも住信SBIネット銀行の外貨口座限定」、楽天証券は「入出金ともSMBC信託銀行、三井住友銀行の2行限定」「振込手数料必要」という条件がつきます。

楽天証券はあらかじめSMBC信託銀行に「楽天証券外貨送金サービス」の事前登録を行えば、入金手数料7000円が1000円に大幅に割引されます。

なお、SBI証券は「外貨建口座」で、米国株の売却代金を米ドルのままで保有し、次の米国株買い付けに利用することができます。

米ドルのままでの使い勝手で言えばSBI証券が最も使いやすいと言えます。

第3の方法:外国為替手数料が最も安いのはFX 業者

外貨両替を「なるべくしない」のがコストを下げるのによい方法ですが、外貨両替それ自体を低コストですませる方法はないのでしょうか?

ネット証券の米国株取引の際の米ドルと日本円の為替手数料(為替スプレッド)は「1ドルあたり25銭」(マネックス証券は買い付けのみ0銭)ですが、それよりも安いレートで両替できるのがFX業者です。

たとえばSBIFXトレードは「1000ドルまで1ドルあたり0.09銭」、外為オンラインは「1ドルあたり0.1銭」、外為どっとコムは「取引数に関係なく1ドルあたり0.2銭」、みんなのFXも「1ドルあたり0.2銭」です。

そんな手数料格安の業者をうまく利用すれば、米国株投資の為替コストを安くすませることができるでしょう。

ただし、銀行口座との入出金で一定の手数料がかかるので、各社の手数料体系や特典を比較・検討したうえで、日本円で50~100万円以上のまとまった単位での両替をおすすめします。

SBI証券は、SBIFXトレードの「α口座」の米ドル資金を、外貨のままSBI証券の口座に出金できる「現引」というサービスを利用できます。

それを米国株の買い付け資金にあてることができます。(執筆:寺尾淳)

寺尾 淳

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経済ジャーナリスト。同志社大学法学部法律学科卒。「Forbes日本版」(ぎょうせい)を中心に経済、経営の分野を幅広くカバーしてきた。『株のしくみ』(ナツメ社)など株式投資関連の著書もあり。米国株投資経験は1993年以来、IBMなどIT、ネット関連が中心で、AmazonやGoogleはその立ち上がりから見てきた。毎朝、取引終了直後にNY市場のレポートをツイッターで配信中。

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