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過去のS&Pの実績からみる米国株の冬の強さ
11月から翌年4月にかけて米国の機関投資家は積極的な投資をしていることが多いです。
とりわけ11月,12月,1月は特に強気のスタンスで投資をします。
それはなぜかというと1950年からの統計によって高いパフォーマンスを示してきたからです。
その為、このようなアノマリーが生まれました。
以下、過去のS&P500の月別パフォーマンスです。
月 | パフォーマンス(%) |
1月 | 1.1 |
2月 | -0.03 |
3月 | 1 |
4月 | 1.6 |
5月 | 0.2 |
6月 | 0.1 |
7月 | 1.1 |
8月 | -0.1 |
9月 | -0.4 |
10月 | 0.8 |
11月 | 1.6 |
12月 | 1.5 |
(参照:ストックトレーダーズアルマナック)
最近の米国株を取り巻いている環境
・長期金利(米国債10年利回り)が徐々に低下している…テーパリングの発表とは裏腹に先月の同時期と比べて長期金利は約0.1%程低くなっています。→株式にとっては好都合
・S&PコンセンサスEPS上昇…10月中旬に少し下がり気味でしたが、また上がり始めています。石油会社が原油高に伴って好業績をあげていることが起因しています。
・中国恒大集団問題…ドル建て債の利払いを実行。それによりデフォルトは回避されました。つまり、リーマンショックのようなことが起きる危険性が低下しました。
などなど、株式市場にとってプラスなニュース(マイナスを打ち消すニュースも含め)が多いです。
コロナによって加熱しすぎという懸念もある中ではありますが、例年通り好調なパフォーマンスを見せるのではないかと思われる材料が集まってきました。
基本的には強気のスタンスだが、テーパリングによる懸念点もあり
今後テーパリングも含め、緩やかに金利は上昇していくことが予想されています。
金利と株式は基本的に競争関係にあります。
しかし、ここまでコロナからの急速な経済回復で加熱しすぎた市場を一旦落ち着かせる必要が出てきました。
これはせっかく景気拡大が始まっている経済のモメンタムをなるべく持続させる為です。
逆をいうと、アメリカの経済は完全に回復しこれから上昇気流に乗っていくことを示しています。
時にこの施策は線香花火に例えられます。
基本的に線香花火は最後にポトッと火を落とす前に一際燦然と輝きます。
景気も全く同じです。
加熱しすぎてあまりにも加熱しすぎると終わりも早くなってしまいます。
FRBは加熱しすぎな状態を未然に防ぐべく利上げを始めることにしました。
結論 2021年11月の投資スタンスは
これまで様々な背景や取り巻く環境などについて見てきましたが、FRBの利上げもある程度予想されていて織り込み済みの情報も多かった為、強気の姿勢で11月以降は攻めていくのがいいでしょう。