ウクライナ侵攻をうけて、アメリカの大企業がロシアから撤退する事例が相次いでいます。
金融ではビザ、マスターカード、アメリカン・エキスプレスなどの超大手が撤退。
エネルギー関連でもエクソン・モービルが撤退をしています。
今回はこの流れが株価に与える影響を解説していきます。
目次
株価への影響
侵攻が始まったので、抗議として撤退していると思われる方も多いかもしれません。
しかし、現実的にはロシアの通貨であるルーブルの暴落や国際的な決済システムであるスイフトからの締め出しが主な要因です。
どういう事かと言うと、アメリカ企業がロシアでこれまで通りの営業を続けて利益を得たとしても、ルーブルが暴落していれば米ドルに変えても利益にはなりません。
更にスイフトから締め出されていれば、そもそも取引、両替をすることが困難になります。
株価は将来への期待も大きく関わっているので、企業の利益にならないことがほぼ確定している以上、いくら続けても株価は上がりません。
ロシアでの営業を続けるよりも、それは切り捨てて他の国で活動するべきという投資家も多いので株価への影響も無視出来ません。
これからも撤退せずに営業を続けるという企業があれば、不買運動などに繋がり株価も下落するので、米国株に投資している人は注視しておくべきでしょう。
短期的には業績、株価への影響も大きい
ロシアからの撤退は言うまでもなく、短期的には大きな損失となります。
普通の撤退と違い、ロシア政府は使っていた資材などを差し押さえるような動きさえ見せています。
そうなればロシア部門が決算で大きなマイナスになることは確実です。
決算が発表されて大きく株価が動くことは日常茶飯事ですが、国内は好調でもロシアの影響で市場予想を下回る決算だった場合、大きく売られることも覚悟しておかないといけません。
長期投資を考えている方なら、優良企業が割安で買えるチャンスになるので米国株に投資してみたいと考えている方も決算をチェックしておくことをオススメします。
長期的にはブランド力の強化につながる
このように、ロシアからの撤退は企業から短期的に見ればマイナス面が多いです。
ですが長期的に見ればブランド力の強化につながるという一面もあります。
例えば、いち早く撤退を表明して実行した企業に対して消費者は好感を抱きます。
イメージが良くなったことでブランド力の強化、将来的に株価が上がりやすい要素になります。