米国は現在史上稀に見る大インフレ状態で高止まりしている状態です。
そのため、インフレ懸念として株価の下落などの影響が出ています。
株価の下落だけで済むのでしょうか?
決してそんなことはありません。
では、どのような影響が出るのかを詳しく解説していきます。
目次
結論:物価高騰によって企業の経費で圧迫され、倒産やリストラの懸念が高まる
インフレはいい事のように言われていますが、それは良性のインフレだからです。
癌で例えると良性なら大きくなって転移などの悪さはしないが、悪性なら広がっていきやがて死に至ます。
これはインフレも同じです。
悪性インフレが起こると、どんどんインフレが加速していき、給与や仕入れなどの経費が上がっていくことで倒産やリストラのリスクが上がっていきます。
これは生産性が上がっていないのに給与や仕入れが上がっているため起こることで、やがてスタグフレーションとなって米経済を停滞させていくきます。
スタグフレーションとは?
インフレでも2%程度のインフレで、生産性を高く維持できている場合は、起こることはまずありません。
しかし、現在のように2%を超えて7%くらいになってくると、どんどんと経費と生産性のバランスが崩れてやがて会社の成長スピードが鈍化していきます。
今インフレに苦しめられている代表的な企業は、GAFAMのようなハイテク企業です。
どうなっているかというと、Amazonは人件費で利益を圧迫して成長鈍化、Appleは半導体不足の煽りを受けて成長鈍化しました。
例を挙げ出したらキリがないくらいの米国経済を牽引してきたハイテク企業は、業績を悪化させている状態です。
インフレ高止まりの原因は何か?
インフレが高止まりした原因として挙げられるのは、米ドルの史上最大のばら撒きと失業者給付が災いしています。
ドルを刷ってばら撒いてインフレを招き、さらに失業者給付をしたことで労働意欲の低下を招いた事による人材不足が主な原因です。
コロナによって子供のいる女性は専業主婦になる人が増え、失業者は給付を受けられたため終わるまで働かないという人が増えました。
こうなると人材不足で給与がどんどんと上がっていきます。
米国経済のインフレはこれが原因になっているので、しばらくは続くことが予想されます。
米国のインフレと現在の状況
米国のインフレは依然と高い状態を推移しているので、決していい状況とは言えません。
コアCPI(エネルギーやインフレが起こりやすい商品を除いた指標)が7%を超えていてこれを下げるために、利上げやQTが予定されています。
しかし、悪いことばかりではありません。
労働市場に人が戻ってきているので、生産性が上がってきています。
失業率は4.0%と上昇してしまった一方で非農業部門雇用者数が、46.7万人と12万人の予想から大幅な上昇でした。
インフレは依然高止まりで予断を許さない状態ではあります。
しかし、沈み行く船ではないということは覚えておきましょう。