今回は、個人投資家の中でも最近になって巷を騒がしているDirexion Shares社のレバレッジETFであるTECLを紹介します。
目次
上場投資信託(ETF):TECL(ディレクション・デイリー・テクノロジー・ブル3Xシェアーズ)とは?
TECL(ディレクション・デイリー・テクノロジー・ブル3Xシェアーズ)とは、米国に上場する情報技術セクター指数の運用実績(手数料・費用控除前)の3倍(300%)の日次投資成果を目指す上場投資信託(ETF)です。
基本データ(2021年11月29日現在)
株価レンジ(52週) | 32.82 – 88.76ドル |
経費率 | 0.95% |
分配金利回り | なし |
1年リターン | 129.03% |
3年リターン | 95.58% |
5年リターン | 74.01% |
設定日 | 2008年12月17日 |
直近1年の株価範囲を示す52週レンジを見ると、レバレッジETFの特徴である値動きの荒さが分かります。TECLはレバレッジ運用しているので、上がるときも下がるときも値幅が大きいのが特徴ですね。
レバレッジってなに?
レバレッジとは、「てこの原理」を意味する言葉ですが、金融業界では信用取引やFX取引などで一般的に利用されている取引方法の一つです。
本来、株取引は100万円の資金しかなければ100万円分の株しか買えません。
そこで、第三者から借り入れを行うことにより、自己資金以上の運用を行うことができます。俗に「レバレッジを効かせる」と言われています。
TECLの過去のパフォーマンスとリターンは?
以下は2008年の設定来のチャートです。
2020年3月のコロナショック時には株価が急落しているのが分かります。
このように、株価下落時にもレバレッジが効くため、下落局面では大きく下げるリスクがあります。
直近10年のパフォーマンスはなんと+7358%に達します。
米国市場の特にアップルをはじめとした情報技術セクターが右肩上がりで好調であったことが分かりますね。
また、S&P500(青線)と比較したチャートを見てみます。
レバレッジ運用のため、下落局面では大きく下がっていますが、直近5年のパフォーマンスはS&P500指数の10倍以上の結果を出しています。
(画像はSeeking alphaより)
TECLは買いか?:投資するメリット・デメリット
TECLの基本データや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてTECLに投資する際についてまとめていきましょう。
【メリット】TECLの最大の特徴はS&P500を突き放す圧倒的なパフォーマンス
TECLの最大のメリットはS&P500を大きく突き放すパフォーマンスです。
しかも手持ち資金でレバレッジを効かせられるため、投資資金の少ない個人投資家に非常に人気があるETFです。
【デメリット】一定の値幅で動くボックス相場では「減価」していく
レバレッジはプラスとマイナスの両方に働くため、下落局面でも大きく株価が動きます。
そのため、一定のレンジ幅で株価が動く「ボックス相場」では、レバレッジ運用だからこそ株価が「減価(価値が下がること)」していく特徴を持っています。
まとめ:TECLは買うべきか否か?
ここまでDirexion Shares社のETFの一つであるTECLについて紹介しました。
結論から書くと、過去のリターンだけを見れば間違いなく「買い」ですが、デメリットでも説明したように、レバレッジ運用は長期保有に向いておらず、どちらかというと短期運用向けと言えます。
そのため、相場になれていない投資初心者の人は手を出さない方がよさそうです。