最近の暴落、暴騰の原因としてアメリカの長期金利が影響しているというニュースが多くなっています。今回は長期金利の変動が株価に及ぼす影響を解説します。
目次
長期金利が上がると株価はどうなる?
基本的に長期金利と言えば10年以上の期間で元本が戻ってくる国債の金利のことを指します。
例えば現在米国債の10年ものは約1.7%の金利があるので、投資した金額の1.7%を毎年受け取ることが出来て、10年後には元本も返ってきます。
長期金利と株価は基本的に逆の動きをします。長期金利が上昇した際に株価は下落し、長期金利が下落すれば株価は上昇します。
ではなぜ長期金利と株価は反対の動きになるのでしょうか?
国債は米国の財務省が発行しているので株に投資するより元本割れのリスクの心配がほぼないので安全性が高く、ほとんどノーリスクで金利を受け取る事が出来ます。
※もちろん株は元本が増える可能性もあるので、そこはリスクとリターンを考えて比較しないといけません。
つまり、金利が上昇すれば株に投資するよりも国債を買ったほうが低リスクで運用できるので、特に運用している資産が多い機関投資家を中心に株から国債に資金を移す流れが起き、結果的に株価が下落します。
為替レートにも影響がある
長期金利は株価だけではなく、為替レートにも大きく影響します。
アメリカ国債は基本的に自国通貨建てで買うことになるので、アメリカドルを持っていないと購入できません。
そのため例えば日本の株式市場で売買していた外国人投資家が資産を米国債に移そうと思ったら日本円を売ってドルを買います。
そのためドルの需要が高まるので、原則的にアメリカの長期金利が上がればドル高円安になります。
長期金利の影響を大きく受ける株は?
特に大きく下落することが多いのは日本ではマザーズ市場ですが、アメリカではNASDAQを中心としたハイテク株です。
長期金利は主に国債の金利を指しますが、民間銀行の金利にも影響を与えるので借入金額が同じでも老舗企業より財政基盤の弱い新興企業の方がダメージが大きいと判断されるからです。
金利上昇で恩恵を受ける株
基本的に長期金利が上がれば株価は下落すると説明しましたが、もちろん例外もあります。
どんな業種かと言うと銀行、保険会社などの国債を買って資産運用をしている金融系の業種です。
これらの銘柄は同じ業務内容であっても、長期金利が上昇した分だけ利益が増えやすくなると判断されるので、大半のセクターが下落している時でも株価が上がることが珍しくありません。