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攻守両立「コア・サテライト戦略」 比率目安はコア70%~80%、サテライトが20%~30%

投資初心者にとって、リスクとリターンのバランスの取り方は悩みどころです。

今回はこのバランスを決めるための参考となる投資手法のひとつである「コア・サテライト戦略」をご紹介していきます。

目次

「コア・サテライト戦略」とは

「コア・サテライト戦略」とは、保有資産を「コア(核)」「サテライト(衛星)」に分けて運用を考える戦略です。

コアは長期かつ安定的な収益を期待した運用を行ういわば「守りの資産」、サテライトではリスクを取りつつも比較的高いリターンを狙った「攻めの資産」としての運用を行います。

コアとサテライトをうまく組み合わせることによって攻めと守りを両立させ、リスクを抑えつつ市場平均に勝るリターンを確保することを目的とした投資戦略が「コア・サテライト戦略」です。

コアとサテライトの比率はどうするべきか

コア・サテライト戦略で重要なのはコアとサテライトの組み合わせ比率です。

目安としては、コアが70%~80%、サテライトが20%~30%です。

上記の数字はあくまでも目安であり、ご自身のリスク許容度に合わせて比率を変えることは自由です。ただし、戦略の中心となるコアは基本的に50%以上を維持するようにしましょう。

コアの比率を大きくし、しっかりと守りを固めることができていれば、サテライトで積極的に攻めに打って出る際のリスクを抑えることができます。

コアでしっかりと守りを固めよう

長期での安定運用が前提となるコア資産には、リスクの分散がされていてコストが安い商品が向いています。

指数に連動するインデックスETFであれば分散も効いており、安定したリターンも期待できます。

例えば、VOOは米国の代表的な企業500社の株価を指数化したS&P500に連動するETFです。

500社へ分散して投資できるだけでなく、経費率も0.03%と非常に安価なためコアの資産形成向きの商品と言えます。

また、債権やコモディティといった株式以外のアセットを組み込むことで、より分散された、市場の変動に強い資産づくりができるようになります。

債権であればAGGやBND、コモディティ全体に投資するのであればGSGといったETFがあります。

上記のようないくつかのETFを組み合わせてコアを形成する方法もありますが、それが面倒であればバランス型の投資信託を購入するという方法もあります。

コアの資産形成には、簡単で手間がかからない商品を選ぶということも大事です。

サテライトでは攻めに打って出る

リスクを取りつつも高いリターンを狙うサテライト向けの商品には、個別株やアクティブファンドのETFなどが挙げられます。

アクティブファンドだと、有名なものでは2020年に大きな注目を集めたキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベスト・マネジメント社のETFがあります。

アーク社は「破壊的イノベーション」をもたらす企業への投資を行っており、EV界の王者であるテスラ($TSLA)などを組み込み銘柄としています。

アーク社の代表的なETFであるARKKは、2020年の1年間パフォーマンスはなんと148%でした。ちなみに同一期間のS&P500のパフォーマンスは18%です。

そのほかにも、特定のセクターに特化したETFや、レバレッジをかけて指数の〇倍の値動きをするようなETFなど各社から特色あるETFが多く販売されています。

ただ、アクティブファンドのETFは長期的に安定したリターンを望むことは難しく、2020年に圧倒的なパフォーマンスを誇ったARKKも、2021年のパフォーマンスは-7%となっています(10/16時点)

これらのアクティブファンドのETFでは、大きなリターンを期待できる一方で相応のリスクも伴います

そのため定期的にパフォーマンスをチェックしてよりリターンを期待できる銘柄に乗り換えていく必要があります。

「コア・サテライト戦略」で投資を楽しもう

ここまで「コア・サテライト戦略」についてご紹介してきました。

繰り返しになりますが、大事なことは資産の大部分は安定運用のコアとして守りを固めること

慣れてくればそのなかで自分の心地良いアセットの比率を探してみるというのも楽しいものです。

それでも長期運用が前提となるコアはどうしても退屈な投資となりがちです。

サテライトでは資産を増やすことだけではなく、売買を通じて投資の楽しさを味わうということも目的のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

ただし、コアで守りを固めているとはいえ過度なリスクの取り過ぎは禁物です。

リスク管理も行いつつ、楽しみながら「コア・サテライト戦略」で資産形成に取り組みましょう。

nac

投稿者の記事一覧

30代個人投資家。いくつかの職を転々とした後、外資系医療機器メーカーでの勤務を経て現在は個人事業主。米国株投資歴は3年。コアをインデックスETF、サテライトでオニール流成長株投資のコア・サテライト戦略を実践中。

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