みなさんの記憶に新しいコロナウィルスを起因とした新規感染症は、いつの時代になっても人類の敵として存在してきました。
そのような人類の敵であるウィルスなどから守ってくれるのが、製薬企業であり、世界中に存在するヘルスケア分野の企業群です。
今回は米国を代表するヘルスケア分野の企業に分散投資できるバンガード社のセクターETFであるVHTについて紹介させていただきます。
目次
上場投資信託(ETF):VHT(バンカード・ヘルスケアETF)とは?
VHT(バンカード・ヘルスケアETF)とは、MSCI USインベスタブル・マーケット・ヘルスケア・インデックスに連動する上場投資信託(ETF)です。
基本データ(2021年10月26日現在)
株価レンジ(52週) | 195.75 – 266.07ドル |
経費率 | 0.10% |
分配金利回り | 1.40% |
1年リターン | 23.10% |
3年リターン | 17.16% |
5年リターン | 16.60% |
設定日 | 2004年1月30日 |
配当月 | 1月、4月、7月、10月 |
配当利回りは1.40%と低いものの、5年リターンも16.60%と、しっかりとキャピタルゲインを狙えるETFと言えます。
VHTの組入上位銘柄について
ではVHTの組入上位銘柄を見ていきましょう。
組み入れ比率トップは、高配当銘柄としても人気がある製薬大手のJ&Jです。
次いで医療保険大手のユナイテッド・ヘルス・グループ、そして高配当銘柄として人気のファイザー製薬です。
製薬だけでなく、医療機器含むヘルスケア分野の多くをカバーできているセクターETFですね。
(画像はBloombergより)
VHTの過去のパフォーマンスとリターンは?
以下は過去10年のチャートです。
2020年にコロナショックで株価は下げていますが、きれいに右肩上がりになっていますね。
(画像はSeeking alphaより)
また、S&P500と比較したデータでは、S&P500のトータルリターンが3.5倍に対してVHTはそれを上回る4倍のパフォーマンスを出しています。
VHTは買いか?:投資するメリット・デメリット
VHTの基本データや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてVHTに投資する際についてまとめていきましょう。
VHTに投資するメリット
まず挙げられるメリットは、米国投資の最適解であるS&P500のリターンを上回るパフォーマンスです。
不景気にも強いディフェンシブセクターでありながら、直近10年の結果はS&P500をしのぐ結果を残しています。
また、世界人口は2050年には97億人に達すると予想されており、人の寿命に関わるヘルスケア分野は今後も伸びていくことが予想できます。
VHTに投資するデメリット
S&P500に対して高いパフォーマンスを出しているVHTですが、J&Jの訴訟問題などを例に、製薬企業は常に訴訟リスクを抱えています。
また、保険制度改革などによっても株価が大きく変動しますので、国の政策などに影響を受けやすい点がデメリットとして挙げられます。
さらに、日本を含む先進国では高齢者の社会保障費が社会問題になっており、今後は医療費が真っ先に財政支出の削減対象となります。
医療費削減はそのまま製薬企業の利益圧迫に直結しますので、政治的な影響を受けやすいセクターと言えます。
まとめ:VHTは買うべきか否か?
ここまでバンガード社のETFの一つであるVHTについて紹介させていただきました。
結論から書くと、高齢者の増加や医療の進歩による平均寿命の長寿化など、ヘルスケア分野は今後も安定して成長していくでしょう。
また、医療分野は不景気にも強く、今回のコロナショックでも他のセクターに比べ早く回復しています。
国の政策に左右されやすく、訴訟リスクを抱えていますが、安定した成長を見込めますので個人的にはおすすめします。
(執筆:moonkichi)