NISAやiDeCoなども認知され、日本でも一般人にとって投資が少しずつ浸透してきました。
コロナ渦において、更にその流れは加速しています。
そんな中、2021年初頭世間を騒がしたゲームストップ事変についてはご存知でしょうか?
ゲームストップは米国の衰退したゲームソフト小売会社で誰も注目していない銘柄でした。
米株はアルファベットで表せられますのでゲームストップ=GME、ある日その銘柄は急騰し個人投資家に恩恵をもたらしました。
その背景にあったこと、そして素人投資家の身に起こった事を紹介します。
目次
搾取される個人投資家が機関投資家に打ち勝った日
機関投資家とは、投資信託や保険会社などの顧客から預かった巨額な資金や、毎年数兆円の銘柄を購入する日銀などのことです。
海外ではウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイなどは資産総額は9000億ドル…日本円にして100兆円ほどになります。
海外もすごいですが、実は投資界でのクジラと呼ばれる世界最大の機関投資家は、日本の年金積立金管理運用独立行政法人、通称GPIFなのです。
その運用資産は160兆円ほどでしたが、ここ1年ほどで更に利益を積み重ね、現在の資産は200兆円に迫ります。
結局、投資における影響力は圧倒的に機関投資家にあり、個人投資家はそれらの意思の前では無力です。
投資界での噂では、個人投資家が勝っている時に、巨大な資金力の機関投資家が売り、個人投資家の資金をショートさせると囁かれています。
彼ら、巨大機関投資家に対して、我々個人投資家の群れはイナゴと例えられます。
兆を越える機関投資家の資金力の前には、イナゴの群れがいくら集まっても太刀打ちできませんが、SNSの影響がテレビの力を凌駕し、政治まで動かす時代、投資の世界においてもSNSにより団結した個人投資家の群れが機関投資家を打ち負かした事件それがゲームストップ事変なのです。
米株の知識も経験も何も無い素人投資家が群れた訳
私は、コロナショックの後に米株に参入した新人、200万円ほどの資産を投入し半年ほど経った2021年1月25日、Twitterでゲームストップの呟きを見つけました。
「GMEにフルベットすれば明日資産が倍になるかな」などというツイートを見かけたのです。
何の銘柄かも全く分かっていませんでしたが、ずっと20ドル以下で推移していた銘柄がその日には60ドル程に急騰しておりました、だいたいはそこからは急転直下する感じはしましたが、私はSNSを盲信しそこで50万円分を購入しました。
ちなみに、SNSの情報などにイナゴの様に群れていく人々をイナゴライダーと言います。
私は日本のTwitterでしたが、発信は米大手掲示板サービスRedditで個人投資家達が煽った事に始まります。
僅か1日で投資額が2倍に
さて、何も分からず投資をした私ですが、次の日ポジションを見て我が目を疑いました。
1日で50万円が100万円になったのです。
投下資産額200万の初心者にとっては、十分すぎる利益でした。
なんと言ってもポチッと銘柄を買うだけでひと月の給料以上の利益を上げたのですから。
その後も、乱高下を繰り返し、一時期は400ドルに達する勢いでした、私は結局7~80万円の利益でしたが、もしも売らずにそのまま置いておいただけで数百万円の利益になるところでした。
あまりの過熱ぶりに、システムのエラーも頻発し、取引が出来ないという事もあり更にゲームストップ事変は盛り上がっていきました。
ゲームストップ事変のその後
今回の様に、企業になにか特別な価値が見つかった訳ではなく、投資家のお祭りとされた銘柄をレディット銘柄などと言われます。
GMEに続く代表格がAMC、破綻寸前の映画館チェーンで、株価は2~3ドル程度だったものがGME事変には20ドルまで急騰し、下落したのち、さらに同年6月には60ドルにタッチしていました。
もしも、こちらの銘柄も大きく買っていればいくらの利益を上げたことか・・・。
GMEは、何度が下落と高騰を繰り返し、現在は150~200ドルほどで落ち着いています。
その様な銘柄ですから、機関投資家やベテラン投資が手を出す事は少なく、億万長者を生み出すことはあまり無かったかも知れませんが、多くの素人投資家や若者がそれなりお小遣いを稼げた事案であった様に感じます。
今後、この様なお祭り騒ぎはあるのでしょうか?
最も熱い投資市場、米国株に注視するのは当然の事ながら、誰も見ないようなSNSで情報を集めるのも面白いですね。(執筆者:たく)