QQQは世界を代表する大型テック企業GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)がバランスよく組み入れられており、近年のパフォーマンスは素晴らしいものがあります。
その一方で、パフォーマンスの悪い銘柄も含まれており、リターンを押し下げる要因となっています。
いっそのこと「GAFAMに集中投資した方が良いのではないか」と考えたことがある方も少なくないのではないでしょうか?
そこで本記事では、QQQとGAFAM集中投資の過去のリターンを比較検証していきます。
また、その結果を受けて、どちらを選択すべきか解説していきます。
目次
QQQとは
QQQ(インベスコQQQトラスト・シリーズ1投資信託)はNASDAQ100に連動した米国ETF(上場投資信託)です。
NASDAQ100は、米国NASDAQ市場に上場する代表的な100社で構成された指数で、GAFAMなどのテクノロジー企業が含まれています。
QQQの構成銘柄上位10種は下表のとおりです。
QQQの構成銘柄上位10種
順位 | ティッカー | 銘柄名 | 割合 % |
1 | AAPL | アップル | 10.91 |
2 | MSFT | マイクロソフト | 10.04 |
3 | AMZN | アマゾン・ドット・コム | 7.83 |
4 | TSLA | テスラ | 4.46 |
5 | GOOG | アルファベット | 4.12 |
6 | GOOGL | アルファベット | 3.86 |
7 | FB | フェイスブック | 3.83 |
8 | NVDA | エヌビディア | 3.74 |
9 | PYPL | ペイパル・ホールディングス | 2.22 |
10 | ADBE | アドビ | 1.99 |
(2021年9月現在)
ご覧の通り、GAFAMだけで41%を占めています。
その他にも、テスラ、エヌビディアなど、その分野を代表する企業が名を連ねています。
このため、QQQに投資すれば米国の代表的なテクノロジー企業に分散投資することができます。
近年のQQQの株価は以下のとおりです。
2013年の初めから現在までで、株価はおよそ6倍になっており、高いリターンをもたらしています。
GAFAMとQQQの過去のリターン
QQQのリターンは素晴らしいですが、その株価をけん引したのは間違いなくGAFAMです。
では、GAFAMに集中投資した場合、どのようなリターンとなっていたのでしょうか。
フェイスブック上場後の2013年1月~2021年8月について、GAFAM集中投資とQQQのリターンを比較したものが下図となります。なお、GAFAM集中投資は各銘柄が5等分されるように毎年リバランスをしています。
青線:GAFAM集中投資 赤線:QQQ
GAFAM | QQQ | |
リターン | 13.2倍 | 6.3倍 |
年平均 | 34.70% | 23.70% |
GAFAM集中投資のリターンは、なんと10倍を超えています。QQQのおよそ2倍です。
仮に2013年1月に100万円を投資していれば、およそ1320万円になっていた計算になります(為替の影響は無視)。
このように、過去のパフォーマンスではGAFAM集中投資がQQQを上回っています。
GAFAM集中投資とQQQのどちらが良いのか
過去のリターンではGAFAM集中投資に分がありました。だからといって、今後も同じように高いリターンをもたらしてくれるとは限りません。
例えば、GAFAMは大きな影響力を持ちすぎたこともあり、法規制などで全銘柄が総倒れになるリスクがあります。
その点QQQは分散が効いているため、リスクは比較的低いです。
また、QQQには以下のメリットがあります。
- リバランス不要で管理がラク
- 少額運用でも分散投資が可能
このため、QQQは以下のような方に向いているといえるでしょう。
- 大きなリスクを取りたくない
- 資産運用に手間をかけたくない
- 毎月定額を積立てたい
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まとめ
本記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 2013年~2021年のリターンはGAFAM集中投資がQQQの2倍
- QQQは管理の手間をかけたくない方、少額ずつ積立てたい方向け
- GAFAM集中投資はリスク覚悟で大きく稼ぎたい方向け
(執筆者:T-Kojima)