トランプ前大統領就任からコロナウイルスによるパンデミックまで一貫して大幅な金融緩和路線を継続してきたFRBが、量的緩和縮小つまり金融の引き締めにシフトチェンジしました。
今後の世界経済における大きな方針転換になる可能性があるこの余波を考察していきたいと思います。
目次
そもそもここまでの金融緩和は必要だったのか?
誰にも予想できなかったコロナパンデミックを除けば、そもそもアメリカにおいてここまでの金融緩和を行う必要がなかったという見解を私は持っています。
米中貿易戦争の所詮人が起こすものであり、疫病などと異なりどうにでも収束が出来る事案です。
金融緩和とはリーマンショックなどの経済危機が起こった時などに行うべき緊急的カードで、本来は経済が好調なコロナ以前のアメリカには必要なかったと私は考えています。
遠くない未来にコロナの収束が見え始めた現時点でのFRBの判断は、至って正常な政策をしたといえるでしょう。
量的緩和縮小の影響はあるか?
短期的にはこれを材料に投機筋が仕掛け的な動きをすることは考えられます。
しかし、長期的に見れば影響は皆無だと考えます。
量的緩和とは、簡単に言えば枯れている経済に水を与え活性化を促すものです。
今のアメリカ経済はかつてないほど経済が潤っています。
そのような状態で水を与えても大した意味はなく、下手をすれば過剰なインフレを引き起こすリスクすら考えられます。
この状態で量的緩和を縮小したことは、インフレリスクを抑え、何かあった時の経済カードを取り戻すという意味でも長期的に非常に良い一手でした。
繰り返しますが、現時点での、このFRBの決定は市場に及ぼす影響は無いと考えます。
利上げはいつ行われるか?
私は量的緩和縮小よりむしろいつ「利上げ」が行われるか、またその際のマーケットへの影響が注視されるべきではないかと考えます。
世界的に超低金利状態が続き、金利がマイナスなことが珍しくない状態になっています。
これ以上の「利下げ」は理論的にほぼ不可能でどこかのタイミングで利上げは確実に行われ、その先陣を切るのは間違いなくアメリカだと思います。
アメリカが利上げを行えば、欧州が続き、最後に日本が続く形になるでしょう。
金利が上がれば資金の調達するコストがあがり、企業の収益は圧迫されます。
アメリカの経済が好調とはいえ、コロナのダメージが抜けきっていない状況では利上げおそらくないと思いますので、1,2年は利上げがないと判断しますが、この利上げのタイミングは投資を行う方は注視をしておいた方がよいと思います。
今回の量的緩和縮小の影響は皆無だと思いますが、良くも悪くもFRBが大幅な金融緩和路線からシフトチェンジを行ったことは間違いありません。
当面はないと思いますが、利上げのタイミングで大きな動きがマーケットに走る可能性があるので、その点は注視しておきましょう。