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【金融庁も警告】レバナス運用で退場者続出? それでもリターン100倍超の夢を見るレバナス民たち

個人投資家の中でも、レバレッジ運用1本で資産を形成する投資スタイルが見られるようになりましたね。

ただ、2022年に入ってから米国市場が調整入りしたので、含み損を抱えている人も多いかと思います(私も同じく含み損状態……)。

今回は、TwitterなどのSNSで話題の「レバナス」について簡単に紹介していきます。

目次

レバナス運用で億万長者?個人投資家にとって人生一発逆転への挑戦!

レバナスとはNASDAQ-100指数にレバレッジをかけた運用成果を目指す投資信託(ETF含む)のことです。

ここではNASDAQ-100指数の3倍の運用結果を目指す米国ETFである「TQQQ」を例に紹介していきます。

※NASDAQ-100とは米国NASDAQ市場に上場する時価総額トップ100銘柄の平均株価指数。

投資用語のレバレッジってなに?「レバナス」はただの愛称

レバレッジとは、「てこの原理」を意味する言葉ですが、金融業界では信用取引やFX取引などで一般的に利用されている取引方法の一つです。

本来、株取引は100万円の資金しかなければ100万円分の株しか買えません。

そこで、第三者から借り入れを行うことにより、自己資金以上の運用を行うことができます。

俗に「レバレッジを効かせる」と言われています。

そのため、レバナスとは「レバレッジ+ナスダック」を省略した愛称としての言葉になります。

リターンは100倍超?レバナス投資はなぜ個人投資家に人気があるのか?

最近になってレバナス投資の人気が出ているのはなぜなのでしょうか。

簡単に言えば、少ない資金で大きなリターンを得られるからですね。

米国株投資の最適解とされるVOO(S&P500指数に連動するETF)と比較したチャートを見ると、リターンの差は歴然です。

チャートは2009年からですが、VOOのリターンが3.6倍程度に対して、TQQQのリターンは130倍近くになっています。

(画像はYahoo Financeより)

「たられば」の話ではありませんが、1万円を投資していればS&P500は3.6万円になります。

一方でレバナス(TQQQ)の場合、130万円になっている計算です。

2022年の米国市場は調整局面入り、株式市場から退場する人も続出?

しかし、2022年に入ってから米国市場が調整入りし(特にNASDAQ市場は金利上昇の懸念により株価急落)、直近1ヶ月のリターンは-24%となっており、「レバナス投資で大損した!」という声がTwitter上でも見られるようになりました

(画像はSeeking alphaより)

米国市場全体もパッとせず、2021年12月までは絶好調だったにもかかわらず、たった1ヶ月で市場から退場せざるを得ない個人投資家もいたのではないでしょうか。

レバナス投資信託はおすすめ?つみたてNISAや子供の学費目的は避けるべき

ここ最近、証券会社からもレバナス人気を取り込もうとNASDAQ指数に連動したレバレッジ型投資信託を販売していますが、レバナス投資は長期投資に向いているのでしょうか。

金融庁も警告!レバレッジ運用は基本的に長期投資に向かない

レバナスETFのTQQQを例に見てきましたが、レバナスに限らずSPXL(S&P500の3倍)やTECL(情報技術セクターの3倍)のようにレバレッジをかけたETFの人気が出てきています。

TQQQと同じように、レバレッジ運用は短期で儲けられる可能性もありますが、株価急落の局面では大損する可能性もあります。

場合によっては90%減というケースも考えられます。

金融庁や東証もレバレッジをかける投資信託は長期投資に向かないとして「高リスク商品」に分類しています。そのため、つみたてNISAでも投資対象ではありません

ハイリスク・ハイリターンだからこそ、子供の学費目的にしないこと

レバレッジはプラスとマイナスの両方に働くため、下落局面でも大きく株価が動きます。

子供が大学に入学すれば、まとまった資金を用意しなければいけなくなります。

資金が必要な時に相場の下落局面にいれば、損切りの必要も出てきます。

そのため、子供の大学費用など出口戦略がはっきりしている状態でレバナスのようなハイリスク商品を運用することは、あまりおすすめできません

【まとめ】レバナス1本で夢をつかむもよし!ただ、注意点は知っておくべき

この記事ではレバレッジ運用の中でも「TQQQ(レバナス)」にポイントを絞って紹介してきました。

レバレッジ運用は長期投資には向きませんが、少ない資金で大きなリターンを得られるかもしれないという点で、個人投資家に夢を与えてくれます。

そのため、全財産をレバナス1本に全力投資するのもいいし、リスク分散のために短気を狙ったサテライト運用でもいいと思います

moonkichi

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40代前半の年子姉妹子持ちパパで本業はデスクワーク中心の会社員です。米国株投資は2017年からはじめ、PFの9割は米国株関連。主に高配当株の代表格であるPMやMOをはじめ、NISA枠でVOOやVYMなどの米国ETFをそれぞれ保有し、米国株による年間配当金は30万円(税込み)を突破。このサイトでは主に自身の経験に基づいた米国個別株やおすすめETFの記事を執筆していく予定です。

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