米国債券ETFの中でも個人投資家に非常に人気のあるETFが今回紹介するバンガード社の「BND」です。それではBNDの特徴を簡単に見ていきましょう。
目次
上場投資信託(ETF):BND(バンガード・トータル債券市場ETF)とは?
BND(バンガード・トータル債券市場ETF)とは、ブルームバーグ・キャピタル総合債券指数に連動する上場投資信託(ETF)です。
基本データ(2021年11月11日現在)
株価レンジ(52週) | 84.17 – 88.30ドル |
経費率 | 0.04% |
分配金利回り | 1.89% |
1年リターン | 0.13% |
3年リターン | 3.48% |
5年リターン | 5.94% |
設定日 | 2007年4月10日 |
配当月 | 3月、6月、9月、12月 |
直近1年の株価範囲を示す52週レンジを見ても、上下に5%も動いていません。
BNDのような短中期債券ETFの最大の特徴が、この値動きの安定性ですね。
債券価格は株式と逆相関、本当にそう?
株式市場と債券市場の関係は逆相関と言われています。
株式市場が上がれば、債券市場は下がるという関係ですね。
そのため、株式暴落時は債券価格が上がるのでリスク分散のために債券も保有しましょうという投資手法が王道です。
実は債券の中でも株式と逆相関を示す債券は、長期債券の動きの特徴になります。
(画像はSeeking alphaより)
長期債券ETFであるTLTとS&P500を比較した直近6ヶ月のチャートを見てみると、見事に逆の値動きをしていることが分かりますね。
短中期債券で多く占められているBNDの値動きは、実は逆相関とは言えず、株式に連動しない抜群の安定性が、最大の特徴です。
BNDの過去のパフォーマンスとリターンは?
以下は2007年の設定来のチャートです。
債券の特徴である安定性がよくわかるチャートになっています。
(画像はSeeking alphaより)
BNDは買いか?:投資するメリット・デメリット
BNDの基本データや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてBNDに投資する際についてまとめていきましょう。
【メリット】BNDの最大の特徴は安定的な値動き
BNDのような債券ETFの最大のメリットは、長期的に見ても安定した値動きがメリットです。
【デメリット】S&P500に大きく劣後する株価
実はBNDの最大の特徴である安定性ですが、裏を返せば株式市場に大きく差をつけられるデメリットにもなります。実際にS&P500と比較したリターンを見ると一目瞭然です。
このような株式市場が好調な局面においては、安定性を誇る債券市場と言え、投資先としての魅力に欠けると言わざるを得ません。
特に米国市場のように長期的に右肩上がりの場合、投資資金は必然と株式市場に流れてしまいます。
まとめ:BNDは買うべきか否か?
ここまでバンガード社のETFの一つであるBNDについて紹介しました。
結論から書くと、株式市場暴落時の資金逃避先としてはいいが、長期目線ではトータルリターンが株式に大きく劣ると言えます。
ただ、債券などの異なるアセットをポートフォリオに組み込むことは、投資リスクを抑えることになるので、40代から考える「守りの投資」を意識し始めた年代の人は検討してもいいでしょう。